お浄土はあるのでしょうか?時々聞かれることがあります。むしろ皆さんの心に聞きたくても聞けない質問ではありませんか。お浄土とは私が作り上げた世界ではなく、阿弥陀さまの真実の世界に生まれさせたいという願いから完成された世界です。メジャーリーグで活躍している大谷翔平さん。毎日テレビで拝見します。これは昔あったメジャーリーグでの逸話として紹介されていたお話です。
アメリカのある地方に、野球が大好きでメジャーリーガーになることを夢見る少年がいました。ある日、少年は事故で脳にダメージを受け、視力を失ってしまいます。急いで手術を受ければ高い確率で視力が回復する状態でしたが、脳の手術への恐怖から、少年は周囲がどれだけ説得しても手術を拒み続けました。その少年はある日、親に頼んで憧れの選手に手紙を出します。「あなたみたいな選手になるのが夢でしたが、もう叶いません」という内容でした。
たまたまその手紙を見た選手は、少年を励ましたいとお見舞いに行くことにしました。球団の広報部がそれを聞いて宣伝に利用したため、当日の病院は多くのマスコミが集まりました。そしてその少年と一つの約束をしました。次の試合でホームランを打つこと、そして手術をすること」
そして試合当日。超満員のスタジアムで選手がホームランを打つことを願いました 。 試合は9回裏、4対2でチームが負けている場面。2アウトランナー2、3塁という状況で、その選手に打席が回ってきました。これまでの成績は3打数1安打1三振、まだホームランは打っていません。ここでホームランを打てば逆転サヨナラです。
渾身のストレートが投げ込まれ、カウントは3ボール2ストライク。最後の一球、ピッチャーは全身の力を込めて投げ込み、バッターはフルスイングしました。しかし、ボールはキャッチャーのミットに収まりました 。結果は「3アウト三振、ゲームセット」でした 。
【見えない願いから生まれたホームラン】
ところが、その三振の瞬間、ラジオの実況アナウンサーが大きな声で叫びました。「打ったホームラン!大きい大きいホームランだ!月まで届きそうな大きな場外ホームラン!」
スタジアムの観客は真っ向勝負した二人を称えて大拍手をしていましたが、ラジオを聞いている人のために、どこからともなく「ナイスホームラン」という声が上がり始め、球場全体がスタンディングオベーションの大歓声に包まれました 。アナウンサーの実況と観客の歓声は、電波に乗って少年の元へ届きました。
話はここで終わりですが、少年はきっと手術を受けたと思います。手術のあと事実を知ったとしても、騙されたとひねくれるのではなく、むしろ多くの人が自分のために願ってくれたという「願い」に出会ったのではないでしょうか 。このホームランは目に見えませんが、願いから生まれたホームランであり、心の眼でしか見ることのできないものです。その思い出は少年の生涯を支え続けたと思います。
苦悩の中に生きる私たちの支えになりたい、そしてあなたを必ず真実の身にさせる(仏)と誓われた阿弥陀さまが願われた仏の国です。そのお浄土は、今も「南無阿弥陀仏」となって私たちを支え、導いてくださっています。 合掌